磁場を含んだ相対論的強束縛近似法

by 樋口 雅彦
磁場下固体の電子状態を第一原理的に計算する手法の紹介をする。本手法は磁場の印加された固体の問題に広く適用可能であるが、現在適用を予定している問題は、

  1. 欠陥入りシリコン結晶の弾性定数の磁場効果
  2. リフシッツ・コセビッチの式を用いない金属のdHvA効果の説明

である。コロキウムでは、まず最初に、磁場なしの相対論的強束縛近似法の説明をする。そのあとに、磁場の効果を摂動論的に取り込んだ「磁場を含んだ相対論的強束縛近似法:Magnetic-field-containing relativistic tight-binding approximation method」(Phys. Rev. B 91, 075122 (2015))を説明する。