トポロジカル絶縁体の性質およびその発現機構

by 吉田 峻輔 (物性理論研究室M1)
トポロジカル絶縁体とは2005年に理論的に提唱された非磁性絶縁体の新しい量子相である。トポロジカル絶縁体の特異な性質として、バルクのエネルギー分散にはギャップを持ち非磁性絶縁体であるのに対してエッジ(2次元)/表面(3次元)にはギャップレスな伝導性を持つ、というものがあり、全体としてはエッジ/表面に起因した性質を持つ。エッジ/表面状態には平衡状態において互いに逆向きのスピンが逆方向に流れるというヘリカルな性質を持つ。今回のコロキウムではこのトポロジカル絶縁体の概要を説明すると共に、その発現機構を理解するための種々の理論(幾何学的位相、整数量子ホール効果)等について発表するとともに、個人的な解釈および、今現在わかっていることとまだわかっていないことについて整理しながら話したいと思います。