導波路表面の光励起による分散関係の時間変化を用いたテラヘルツ波の周波数変調

by 長谷部 翔 (光物性研究室M1)
テラヘルツ波はレーザー技術の発達などによって近年盛んに研究、応用をされるようになった電磁波であり、この制御は今後の技術や研究の発展のためにも重要な課題である。その中でこの研究は、周波数の変調を目標としている。電磁波の分散関係が時間的に変化する時、電磁波は波数を保存するため、新しい分散関係を満たすために周波数を変化させる。ここで、電磁波を閉じ込めて輸送させる導波路の内部では、その形状と材質による境界条件から電磁波は分布を制限され、分散関係は導波路構造に依存したものになる。これらのことから私たちは、直接遷移型半導体であるGaAsを用いた導波路に光パルスを照射することにより、導波路表面に光励起キャリアを瞬時に生成し、周波数変調を行った。今回のコロキウムではこの変調実験の結果と、現在議論している変調時の各モードへの変換割合の導出について報告する。