テラヘルツ分光で見る高分子の高次構造

by 保科 宏道 先生 理化学研究所
近年,テラヘルツ(周波数0.1~10 THz)周波数領域における分光技術が発展し,この領域の吸収スペクトルが簡単に測定できるようになってきた.有機分子のテラヘルツ振動スペクトルには分 子間振動モードが現れるため,水素結合などの分子間相互作用や分子の高次構造に関する情報が得られやすい.特に高分子では,その物性が高次構造や分子間結 合によって大きく異なるため,高分子研究の手段としてテラヘルツ分光が威力を発揮すると期待できる.本講演では理化学研究所で研究されている高分子のテラ ヘルツスペクトル測定について,測定手法からデータ解析に至るまで実例と共に紹介する.