by 黒野 真也 (磁性実験研究室M2)
磁気冷凍は磁性体を用いた冷凍法であり、磁性体に磁場を印加・除去をすることで生じる磁気エントロピー変化に相当する熱の移動を利用した技術である。従来の気体冷凍に代わりフロン類ガスやコンプレッサー等が不要となるので環境にやさしく、軽量化も可能なため有効な技術とされている。しかし、気体冷凍と比べると冷凍効率は低く実用化には至っていないのが現状である。一般的に磁性体が低温であるほど磁気エントロピー変化によって生じる熱量が大きくなるので冷凍効率が上昇するが、磁性体を低温にするにはコストがかかり、実用化させるのは困難である。そこで、室温でも十分大きな熱量が発生する磁気エントロピー変化を起こす磁性体が求められる。
本研究では、室温磁気冷凍材料として有効であるMn2-x–yCoxGeの磁気的性質及び磁気冷凍特性を評価している。コロキウムでは測定結果および考察内容について報告する。