超対称量子力学とその光学応用について

by 中田 陽介
素粒子理論における超対称理論に現れる代数と同等の代数構造を用いて量子力学を研究する分野は超対称量子力学と呼ばれる。超対称量子力学において、一見異なる二つの量子系が基底準位を除いて同じスペクトルになることが示される。こうした性質は、量子系の波動性にのみに着目しているため、電磁系などの他の波動系でも同様の現象が発現する。近年、こうした超対称量子力学のアナロジが光学の分野で盛んに研究されるようになってきた。本講演では超対称量子力学の基礎を紹介するとともに、メタマテリアル系への展開を議論する。

  1. 坂本眞人、「量子力学から超対称性へ」、 サイエンス社 (2012)
  2. Yosuke Nakata, Yoshiro Urade, Toshihiro Nakanishi, Fumiaki Miyamaru, Mitsuo Wada Takeda, and Masao Kitano,
    “Supersymmetric correspondence in spectra on a graph and its line graph: From circuit theory to spoof plasmons on metallic lattices”, Physical Review A93 (2016) 043853.