s-d交換相互作用によるギルバート減衰定数の研究

by 石川圭佑 物性理論研究室M2
スピントロニクス素子として最適な材料かどうかの指標の一つに、スピン偏極した電流による磁化反転のしやすさが挙げられる。スピン流の注入による磁化の反転は、Landau-Lifshitz-Gilbert(LLG)方程式を用いることで記述できるが、この方程式の減衰項は現象論的に入れられており、減衰の程度を表すギルバート減衰定数が含まれている。ギルバート減衰定数は実験により測定することができるが、減衰の機構を説明するモデルについては統一的な解釈はなされていない。
本発表ではLLG方程式から計算される帯磁率およびs-d交換相互作用が含まれた系のグリーン関数から計算される帯磁率の比較から、s-d交換相互作用が大きい系においてギルバート減衰定数は何に依存するのかについて定性的な議論を行う。